サイレントマニュピレーション(非観血的関節受動術)とは




五十肩、肩関節周囲炎などにより、肩関節の動きが悪化した状態を凍結肩、肩関節拘縮と呼びます。動きの悪化や痛みだけでなく、夜間入眠中に疼痛が出る事も多く、睡眠障害をきたす方も多いのが特徴です。

かつては、数年すれば自然に治ると言われていた時代もありましたが、最近の研究では、半数以上の方が数年経っても硬さや痛みが残存していると報告されております。

これに対して、サイレントマニュピレーション(非観血的関節受動術)という新しい治療法が普及しております。
これは、エコーガイド下に肩の感覚を司る神経を麻酔し、拘縮した関節包を愛護的に破断する事で、肩の動きを回復させるものです。

もちろん、入院の必要はなく外来で治療可能です。


治療の流れ
  1. 点滴をとります。
  2. エコーで肩の感覚を司る神経に麻酔をします。
  3. 麻酔が切れた後の痛みを予防するため、関節内に炎症止めの注射をします。
  4. 20?30分程度で、肩から腕にかけて麻痺してきますので、愛護的に肩を動かして関節包を破断します。
  5. 数時間は麻酔が効いておりますので、三角巾で腕をつった状態で帰宅となります。(当日の自動車、自転車の運転はできません)
再拘縮を起こさないよう、治療後のリハビリも大切になります。